荒川三山・赤石岳縦走 山行記

こんにちは今年も残り少なくなりました

今日は今年行った山行でもっとも印象に残った中から

9月の南アルプス荒川三山・赤石岳の縦走を振返り山行記として

まとめましたので掲載します。

 

「南アルプス・荒川三山・赤石岳縦走  山行記」

記:下田 隆

日     程:2014年9月22日~24日

参  加  者:下田 隆

コースタイム:

22日  自宅3:00-5:30畑薙ダム臨時駐車場8:00-9:00椹島9:15~12:30藪段見晴13:00

~14:10駒鳥池14:15~15:00千枚小屋(泊)

 

23日  千枚小屋5:30~6:20千枚岳6:30~7:50荒川東岳(悪沢岳)8:00~9:05中岳9:10~

9:20前岳9:20~9:55荒川小屋10:30~11:10天聖寺平11:15~12:20小赤石岳

12:30~13:00赤石岳13:15~13:20赤石岳避難小屋(泊)

 

24日  赤石岳避難小屋6:00~7:00富士見平7:10~7:30赤石小屋7:30~9:45椹島

 

9月22日

椹島ロッジからしばらく林道を歩くと滝見橋の手前左側が千枚岳登山口となっている。憧れの荒川三山・赤石岳縦走、山の会の方達から聞いていた名峰に今回一人で挑む2泊3日の山行に期待と不安で胸が高鳴る。

登り始めると樹林帯の急登が続き最初の休憩ポイント鉄塔下へと着く。なだらかに上り下りしながら岩頭見晴らしに出る。目指す荒川岳が前方の谷間に覗く。

せっかく登ってきたのにここから険しく下りてしまう、登るならずっと登ってもらいたいものだと心でつぶやく。ここから緩やかなのぼりが延々と続き途中何度か林道を横切る、一歩一歩登っているのに少しガッカリもする。

綺麗なオオシラビソの樹林帯を越え藪段の見晴台にでる。今日唯一の景観ポイントだ。ここまでくると荒川岳、赤石岳が大迫力で眼前に迫る。さらに登る、高度感も徐々に出てくる。しばらくすると駒鳥池の標柱が現れる、登山道を外れた奥にひっそりと、わずかに水をたたえた池がある。雨季にはきっと満面の水が登山者の疲れを癒してくれるのだろう。

小屋まであと一時間の標柱、少し元気が出て一気に登る。するとだんだん人の声が近づき突然目の前に千枚小屋が現れた。登り始めて約6時間、やっとたどり着いた今日の目的地。小屋の前から南に眼をやると笊ヶ岳や布引山の稜線が連なり、その左手奥に富士山が夕日をたたえ堂々とそびえている。しばらく至福の時を過ごし小屋に入る。

千枚小屋 1

        <千枚小屋>

9月23日

千枚小屋を下方に見ながら、朝一番としては少しきついダケカンバ林の急坂を登る。森林限界を越え展望が開けた岩場に出る。小屋から50分ほどで千枚岳山頂(2880㍍)に到着。前方左手には近づくも遠くに赤石岳がその雄姿を眼前にさらけ出し早く来いと誘っている。奥西河内の本谷が上り詰めたその頂部の大聖寺平が美しい。“あんなに遠いところまで行くんだ”と少し気後れするも、気持ちを奮い立たせ足早に先を急ぐ。

千枚岳から赤石岳を望む 2

<千枚岳より赤石岳をバックに>

丸山(3032㍍)を過ぎた所から、辺りは岩稜帯となり足場の悪い登りが山頂まで続き苦労する。これが荒川岳の別名、「悪沢岳」の所以らしい。

荒川岳直下岩稜帯 3

<荒川岳直下の岩稜地帯>

今日最初のピーク、悪沢岳山頂(3141㍍)は南アルプス南部の最高峰。白峰南嶺の全貌や赤石岳、塩見岳に白峰三山と360度の大展望を堪能する。今日は長く楽しい縦走となる、ゆっくりする暇も無く次の目的地へと足を進める。

悪沢岳から中岳非難小屋へは天空の散歩道だ、景色を楽しみながらあっという間に小屋に到着。ちょうど小屋主が居て、“皆ここを素通りしてしまうんだよなア”、の一言でバッジを購入、しばらく山のウンチクを聞くこととなる。中岳山頂と前岳とはほんの10分程度、この東岳(悪沢岳)(3141㍍)、中岳(3083㍍)、前岳(3060㍍)が荒川三山と呼ばれている。

 

前岳から少し来た道を戻り分岐を赤石岳方向へと足を進める、目の前には赤石岳へのアプローチとして山岳書でよく見る景色が広がる。憧れの大聖寺平から小赤石岳、その奥に今日の目的地赤石岳が覗く。歩くにつれ感動の景色に自然と涙が溢れ出し止らない。此処に来られた事への感謝と、大自然の雄大さ、美しさに心の底から感動を費えない。

天聖寺平 6

<前岳分岐より大聖寺平と小赤石岳>

そんな前方の景色に心を奪われていると目の前に盛夏にはお花畑であったろう高山植物帯が広がっていた。これも雑誌でよく見る景色だ。獣害から守るフェンスを抜けると眼下に荒川小屋が現れてきた。

荒川小屋は女性の管理人らしく小屋の雰囲気が違って見える。この荒川三山は女性にも人気のコースで女性客への気遣いもしているようだ。はやる気持ちを抑え少し早めの昼食と仮眠を取る。

休憩後、天聖寺平へと急ぐ、休憩の後の登りがきつい。水平に伸びるトラバース道を進むとやがて標柱が現れ小赤石岳、赤石岳への最後の登りとなる。残った力を振り絞りようやく小赤石岳(3081㍍)へとたどり着く。目指す赤石岳はまだ先だ、つくづく大きな山だと思い知らされる。

小赤石岳から荒川岳 4

      <小赤石岳より荒川三山>

ここから赤石岳へはほぼ水平道となり、最後の山頂部分(3120㍍)へと上り詰める。後ろを振返ると今日越えてきた、千枚岳や荒川三山があんなに遠くに見える。ここまで一緒に歩いてきた千枚小屋で知り合った同年代の男性登山者と喜びを分かち合う。山での出会いは不思議な連帯感のようなものを生む。

 

今日の宿、赤石岳避難小屋は山頂から少し下った所にポツンと佇んでいる。13時到着、少し早めだが疲れた体を休めマッタリとしよう。

赤石岳から避難小屋 5

   <赤石岳山頂より赤石岳避難小屋>

小屋主の榎田さんは知る人ぞ知る名物小屋番、話をすると皆ここを素通りして下の赤石小屋へ泊まってしまい、“もったいないことだ”と嘆いていた。今日も私を含め3人との事。ところが夜が近づくにつれ周りの小屋番達が一人また一人と立ち寄り、気がつくと13人ほどが集結していていた。

実はこの山系は明日で小屋じまいとなる為、急きょ榎田さんのところで最後の晩餐を行おうと言うことになったらしい。なんとも山男達(女性も居たが・・・。)らしい計らいで、皆小屋から持ち寄った食材を振舞い、客の私たちも一緒になって普段では絶対に味わうことのできない大宴会を体験することができた。

 

9月24日

早朝、皆でご来光の写真撮影を行う、榎田さんは写真家でもある。昨晩は満天の星空の撮影を教えてもらった。様々な星座や天の川が輝きを増し、手の届きそうな程近くに感じられた。この時榎田さんがここを通り過ぎる登山客を“もったいない”といった意味が理解できた。

 赤石避難小屋

<赤石避難小屋からの満天の星空>

 

ここからの富士山は実に美しい、雲海に浮かぶ富士のシルエット、真っ赤に染まる水平線、あたりの闇が藍色から黄金色に変わり次第に真っ赤に染まる。そしてしばらくの後、見慣れた青空に変化して行く。最高の一枚を手に入れることができた。

赤石避難小屋から富士山日の出 7

<赤石岳避難小屋から富士山と日の出>

山小屋と小屋番の人達との別れを惜しみ、椹島に向け少し遅めの出発。途中、ラクダノセのトラバース道は危険な箇所が多い。いくつかの難所を抜け富士見平に到着。ここからは赤石岳、荒川三山が正面に見渡せる。二日間歩いたコースがよみがえり下山してしまうことに一抹の寂しさを覚える。

心残りを振り切り先を急ぐ、樹林帯に入り、赤石小屋を横目に通り過ぎ東尾根の岩の急坂をひたすら下る。こちらからの登りはかなりキツそうだと思った。次第に川の流れの音が大きくなってくる。下方に東俣林道が見え始め椹島へと無事到着した。

今回、初めての荒川三山・赤石岳縦走、三日間天候に恵まれ、絶景にも迎えられ幾つもの感動をもらった。また赤石岳避難小屋というレアな山小屋を選び、予期せぬ気さくな小屋番達との触れ合いも出来、本当に大満足の山行となった。また来年も戻ってこよう。

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